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| 私たちは海を舟で渡りタバー諸島へ向かった。ここに暮らす人々はマランガンという独自の儀式を行う。そのために作られるアート「マランガンアート」は「幻のアート」と呼ばれているらしい! |
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| 海岸近くのロッジを借りて体勢を整え、私たちは村のはずれにあるマランガンの「精霊の家」へ向かった。ヤシの葉の塀に入るために、必要な儀式用の貨幣を持たされ、この村の方に案内されてゆっくり中へ入っていくと、突然歌が始まった! 中で男の人たちが歌っているのだ! ♪エーレカモーララアーラー エーレカモーオー♪ これは島の外から来た私たちに精霊の災いが降りかからないよう、お祓いの歌を歌ってくれていたのだ。 |
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| 中に入り、長老さんの前に貨幣を置き、黄色い染料をホッペに塗られてお祓いの儀式は終わった。(余談だがこの長老さんは、ワタシが小さいころから抱いている「長老さん」というイメージそのもので、 |
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| 鶴のようなカクシャクとしたお姿で目線は巣鋭く光り、フッと表情が緩むと人情深そうな笑いジワが出る、この人こそ「長老さん」だ! とう感じの方だった!)。 |
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| その長老さんのお話によるとマランガンとはあくまで先祖の供養の為に行われる儀式で、そのために仮面や飾りを作り、そこに精霊を封じ込めるのだという。しかし、精霊にも良い霊だけでなく悪い霊もいるので、よそ者がマランガンアートに近づくとタタリがあるという。ワタシはゾーッとして「うえ! た、たたりがあるんですか!?」と叫んだ。 |
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| すると長老さんは「そのために今、お祓いをしたのじゃ。大丈夫」と淡々とおっしゃった。…よかった! マランガンアートを作れるのは村中でもごく限られた男だけなのだそうだ。それは技術面だけではなく、精霊にかかわる仕事なので強い精神力も必要なのだそうだ。 |
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| 長老さんは「これは天と海とを竜巻が結んだ姿をあらわし、これが完成すればここに五つの精霊が宿るのじゃ! そして儀式が終われば直ちに燃やし、灰を海に帰すのじゃ」と言った。 |
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| ワタシは驚き「ええ! 燃やしちゃうんですか? もったいない!」と言うと長老は「精霊の中にはさっきも言ったように悪い霊もいる。残しておくと村に災いを招く事もあるからだ」と答えてくれた。 |
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| 自分たちのため、というよりも先祖の供養のために芸術を作り、儀式の後はそれをすぐに燃やしてしまう。あるのは「形」ではない、何か、なのだ。マランガンアートがなぜ「幻のアート」なのか、ワタシには少しわかったような気がした…。 |
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| パプアニューギニアのあちこちでアートを見せて頂き、1番感じたのは「アート」というのはその土地の人々の真剣な信仰の象徴だという事。そこに生きている人々の力強く暖かい部分と、精霊を呼び込むという霊的な部分との両面があるから魅力的なのかもしれないなぁと思ったのでした。 |
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